やるやん
フロンティアエイジ3月号 第13面より
やるやん 「地域の大工」で生きがい 中川 照彦さん(神戸市)
ボランティアを基盤に 今最高に楽しい
「好きなことをして人に感謝してもらえる。会社時代の何倍も楽しい」という神戸市須磨区の中山照彦さん(68)。定年後にボランティア活動から大工に移行、昨年春には自身の工房を設立した。「対話を大事にして可能な限り要望にこたえ、好奇心をもって何にでも挑戦する」を信条とする。「コミュニティ大工」を自称し、丁寧な仕事ぶりが口コミで広がる。

もともと模型が好きだった。5歳の時に姉や妹ら4人の子を残して父が戦死。働く母におもちゃはねだれない。小学生で欲しかった木の機関車を自分で作り、中学生では板塀や米びつも作れた。大学を出て生命保険会社に入り38年間、主に営業畑を歩いた。勧誘員を指導し、自らも家庭訪問して加入の勧誘。仕事には打ち込んできたが「何となくしっくりしない」のを感じていた。
定年目前に参加した「第二の人生」講習会で「定年後はしがらみにとらわれず、何が楽しいかを考えて過ごすべき」という講師に共感。憧れだった「物づくり」への思いを募らせた。6カ月間、職業能力開発センターへ通って木造軸組工法を修得。阪神淡路大震災の被災者支援から今も高齢者支援などを続けるNPO法人「神戸西助け合いネットワーク」に加わった。
お年寄りらへの給食配達などに携わるうち、頼まれて壊れた手すりを直すなど、大工仕事が徐々に増えた。森林組合から間伐材をもらい、仲間の女性が設計した花壇コンテナを制作すると、間伐材の机やいす、犬小屋のほか、テラスやアトリエなどの注文が来るようになり、所属NPOの敷地の一角に20余平方メートルの作業場を持って独立。「こもれび工房」と名付け、大型電動工具を備えた。
一昨年と昨年の春には淡路島の公園の注文で、オランダ・チューリップ祭を飾る風車(高さ3・5メートルなど)計10基と組み立て舞台などを作った。昨年秋には4階建てビルの内装工事を受注。大工、左官、内装工らの仲間の応援を得て約2カ月がかり、総費用1千万円を超える工事を仕上げた。
人と会うことを大事にしている。「人と話せば仕事も仲間も集まる」。最近は月に4~5件を受注し請負費用は業者の6~7割程度。年に数回は「木工教室」で子どもたちに物づくりの楽しさを伝える実技指導もしている。TEL090・3862・9622。 (金澤清弘)


































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